ブックタイトル公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌

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概要

公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌

140実施大綱本大綱について  平成16(2004)年4 月1 日からすべての大学、短期大学及び高等専門学校は、その教育研究水準の向上に資するため、教育研究、組織運営及び施設設備等の総合的な状況に関し、政令で定める期間(7 年以内)ごとに、文部科学大臣が認証する評価機関(以下「認証評価機関」という。)の実施する評価を受けることが学校教育法第109 条第2 項において義務付けられました。 本大綱は、公益財団法人日本高等教育評価機構(以下「評価機構」という。)が実施する、短期大学の教育研究活動等の総合的な状況に関する評価について、その基本的な内容等を示したものです。 評価機構では、短期大学の教育研究活動等の自律的な質の向上及び改善を支援し、もって我が国の短期大学の発展に寄与することを目的として評価を行います。 本大綱は、機関別認証評価の基本的な方針及び評価の実施に関する内容について記載しています。評価機構の評価は、本大綱及び本大綱に基づいて定められた「短期大学評価基準」(以下「短大評価基準」という。)に基づいて実施します。このほかに、評価の詳細な手順等を示すものとして、各短期大学が評価機構に提出する「自己点検評価書」を作成するに当たっての『短期大学機関別認証評価 受審のてびき』や、評価機構の評価員が評価に当たって用いる『短期大学機関別認証評価 評価のてびき』等があります。 評価機構は、評価を受けた短期大学の関係者や評価活動に携わった評価員、その他の関係者の意見等を踏まえ、評価の方法や「短大評価基準」などの見直し等を行い、より適切な評価システムを構築できるように不断の努力を重ねます。本大綱の改訂について 平成16(2004)年度から始まった認証評価の最初の7 年サイクルが終わりました。これを機会に、評価機構では、これまでの経験を踏まえて、短期大学の自己点検・評価及び認証評価のあり方や役割を再検討し、認証評価システムの全面的な見直しを行ってきました。 ここでは、この見直しに基づく「短期大学機関別認証評価実施大綱」(以下「短大実施大綱」という。)及び「短大評価基準」の改訂の趣旨について説明します。 認証評価は、短期大学から提出される「自己点検評価書」に基づいて実施されますから、認証評価が適切かつ効率的に行われるためには、自己点検・評価が本来の趣旨に沿って適切に行われていることが前提となります。しかし、第1 期の認証評価において指摘された問題の多くはこの点に関連しています。例えば、「短期大学が作成する報告書は、とかく認証評価機関に対し短期大学の現状を如何にうまく説明するかに力が注がれ、短期大学教育の改善向上のため活用されていない」「客観性・透明性への配慮に欠けるところがあり、社会への説明責任を果たすという目的にも十分に沿っているとは言えない」といった指摘などです。 このような問題を生んだ原因は、短期大学の側にだけあるのではなく、認証評価のシステム自体にもあったと考えます。認証評価のシステムが、短期大学の自己点検・評価を認証評価の手段化してしまっていないかという点です。 このような問題意識に立って、評価機構では、次の二つの方針の下に、「短大実施大綱」及び「短大評価基準」の改訂を行いました。 一つ目は、認証評価受審時の自己点検・評価であっても、単に認証評価のためのものではなく、自主的な質保証のための本来的な自己点検・評価の一環として明確に位置付けたことです。二つ目は、評価機構が設定する「短大評価基準」は基本的・共通的な事項に限定し、短期大学はこれに自らの使命・目的に即した自己点検・評価項目を加えるようにしたことです。 このような改訂によって、認証評価の効率性を高めることとともに、短期大学の個性・特色をより重視した評価にすることができると考えています。 評価機構が行う認証評価は、評価機構が自ら定める「短大評価基準」に基づいて行われます。しかし、このことは、評価機構が直接短期大学に立ち入って点検調査し、評価を行うことを意味するものではなく、評価の方法としては、短期大学が行う自己点検・評価の結果を分析して行います。言い換えれば、短期大学が自ら行う自己点検・評価の結果を踏まえ、それを土台にして評価するのであり、これには短期大学の自主性・主体性を尊重した評価方法としての意味があるといえます。 質保証の主体は短期大学であり、その基本は短期大学の自己点検・評価にあります。自己点検・評価の実質化なくして質保証の進展は期し得ません。認証評価が自己点検・評価を通して短期大学を評価することは、取りも直さず自己点検・評価を評価することにもなります。 認証評価の目的は、短期大学の教育研究活動等の総合的な状況を評価することですが、その重要なねらいは、短期大学の自己点検・評価の実施状況を検証することによって、短期大学の自主的な質保証機能を高めることにあると考えます。 認証評価を受けるに当たっては、この点を十分ご理解のうえ、適切な自己点検・評価の実施に努められるよう期待します。1. 評価の目的 評価機構が、短期大学からの要請に応じて行う評価は、我が国の短期大学の発展に寄与するために、以下のことを目的として評価を行います。(1) 各短期大学が行う自己点検・評価の結果分析を踏まえ、評価機構が定める「短大評価基準」に基づき、教育研究活動等の総短期大学機関別認証評価実施大綱