ブックタイトル公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌

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概要

公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌

073第5 章 明日に向けて■10年を振返って相良 本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。まずは、自己紹介を兼ねて、これまで日本高等教育評価機構や認証評価にどう関わっていらっしゃったかについてお聞かせください。内田 私は、平成17年に認証評価機関としてこちらの機構が認証された当時、いくつかの国立大学の評価委員を務めておりました。また、その時当機構の副理事長だった髙倉先生のお嬢様の指導教官だったこともあり、大学評価判定委員会の委員になってほしいと髙倉先生からご連絡をいただきまして、お受けした次第でございます。それ以来、私立大学の運営について調査をされる先生方の的確、適切、そして綿密、緻密な素晴らしい評価ぶりを拝見して勉強させていただきました。佐藤 日本私立大学協会に私学高等教育研究所ができて、評価制度について議論するという時期からいろいろな形で関わりがありました。また、当時の私大協事務局長の原野さんと話をさせていただき、評価機構の名称をどうするかというような議論にも関わらせていただきました。それ以前にも、私大協の「米国大学経営戦略調査団」なるものに喜多村和之先生とご一緒いたしました。評価そのものについては、平成16 年の試行評価に参加いたしました。瀧澤 私の関わりという前に、私高研がどのように評価問題に関わったかをお話しする必要があると思います。私高研は本来、私学高等教育の政策に関する研究調査という幅広い目的を持っておりますが、認証評価制度の研究は、私大協として認証評価機関を立上げるに当たって、特別な委託事項だったんですね。私学の特性に配慮した評価機関を作ることについて必要な調査研究をすること。私高研はそもそもそういうミッションを持って出発したのではないかと思っています。 この研究は、高等教育の研究では優れた実績をお持ちの初代主幹の喜多村先生が中心になって進められました。その後を継いだ私は六つの研究プロジェクトの一つとして認証評価のプロジェクトを設け、評価機構と一体となって研究を進めてきました。しかし、評価機構には研究部門があるわけですから、いずれは私高研のこの仕事は廃止し、評価機構において一体的におやりになるものと思っております。福井 私は最初から私大協の方でお世話になっていたものですから、平成17 年に評価機関として認証されたということで、大沼会長と当時評価機構の設立に奔走しておられた原野常務から手伝うよう言われて現在に至っております。その間、喜多村先生や後任の瀧澤先生からお話を伺ったり、佐藤先生にもお世話になったりしています。相良 佐藤先生、当機構の設立に当たり私大協で評価基準の検討委員会委員としてご尽力いただいたお立場として、その頃の印象深い点はなんでしょうか。佐藤 当時は、大学基準協会が加盟判定として評価をしていましたが、これは相互評価だったんですね。大学基準協会だけで全大学の認証評価をするのは大変ですから、文科省としては大学評価・学位授与機構に評価部門を付けるような形で国立大学中心の評価をして、私学と公立大学に関しては新たにもう一つ機関がほしい、という議論があったのだと思います。私大協に評価機関を作れないかという相談があって、喜多村先生などとお話をさせていただき、やはり私大協が母体となるのですから、最初は「日本私立大学評価協会」ですとか「日本私立大学評価機構」という名称をつけて対話型の評価をしていきたいということになりました。つまり、評価をするものと受けるものとの間でコミュニケーションが図られるような形で、私学としての特色を踏まえて評価をしたいという思いがあって、時間をかけて議論がなされたと思います。 しかし、「日本私立大学評価機構」では評価の対象を私立大学に限定することにならないかと、文科省の方から法的な制約も含めて指摘が入り、「日本高等教育評価機構」という名前に落着きました。また、日本横断的に三つの評価団体が違った評価をするのはどうなのかという議論がありまして、私大協は支部組織があるのですが、支部ごとの事情をきちんと踏まえながら評価ができないか、ということを考えたと理解しています。相良 瀧澤先生、この10年の間に4 年制大学だけでなく、短大とファッション・ビジネス系専門職大学院の評価システムも先生が中心になって立上げていただきました。その辺りについてお聞かせください。瀧澤 認証評価の発足に当たっては機構全体として随分ご苦労が当ったと思います。整然と形が固まったわけではなくて、認証評価が始まったからには走りながらでもやるんだと、よく関係者がおっしゃっていました。問題を残していることはよく認識しつつも、考えながら走っていくという覚悟「私学としての特色を示したいと、評価機構の名称については時間をかけて議論しました」(佐藤)座談会「認証評価とJIHEE の10 年後のために」