ブックタイトル公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌

ページ
82/184

このページは 公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌 の電子ブックに掲載されている82ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

公益財団法人 日本高等教育評価機構 10周年誌

第5 章 明日に向けて080公益財団法人日本高等教育評価機構副理事長相良 憲昭日本高等教育評価機構の設立10 周年にあたり、感謝の念を込めて、ひとこと雑感を申し述べます。評価機構が活動を開始した当時、私も評価員のお誘いを頂戴したのですが、その頃ある私立女子大学の責任者として右往左往していたために、せっかくのお誘いをお断りせざるを得ませんでした。とはいえ、評価機構の設立やその後の発展に尽くされた何人かの方々には、忘れがたいご厚誼を頂戴しています。5年前に鬼籍に入られた原野幸康前専務理事には、私が国連大学に関わっていたころ、IAUP(世界大学総長協会)を通じてご面晤を得ましたし、瀧澤博三先生や故・喜多村和之先生は、国立教育政策研究所でご一緒させていただきました。そして、去年(2013年)の7月に畏れ多くも評価機構の副理事長の職を継がせていただいた髙倉翔先生には、文字通り何十年にもわたってご懇意に願ってきました。私が評価機構の活動に携わるようになったのは7 年ほど前のことですが、その際、二つのことにきわめて新鮮な驚きを感じました。第一は、評価員として大学の教員だけでなく、事務職員も加わっておられたことです。認証評価は大学の教育研究活動にとどまらず、管理運営や財務等も含めてすべての事案に及ぶものであり、そのためにはそれらの分野の専門家としての事務職員が評価に関わるのは当然であって、それこそが真の「ピア・レビュー」にほかならないと思う次第です。そして第二には、評価のプロセスの全期間にわたって、評価機構の職員がきめ細かくアシストしてくれたことです。評価員としてこれまでご一緒した諸大学の教職員の方々の大半は、認証評価の意義やプロセスに対して十分な理解をもっておられましたが、それでも評価員としての経験の差や、所属大学・学部などの文化の違い等によって、評価員会議や調査報告書の執筆などに関する意思の疎通が必ずしも円滑にいかない場合もありました。そのような際の「時の氏神」が評価機構の担当職員で、皆さんは学校教育法、大学設置基準、私立学校法等の関係法令はもとより、評価機構が編集・出版した認証評価の『てびき』『実施大綱』『チェックリスト』などに精通しており、私が携わった何件かの認証評価においても、評価機構の担当職員のサポートがなければ、収拾がつかなくなったのではないかと思わせるような場合がありました。評価機構の来し方の10 年を顧みるとき、質・量ともに順調に発展してきたことは明々白々で、そのことを虚心に喜びたいと思いますが、行く末のさらなる10 年に思いを馳せれば、わが国の教育、とりわけ大学教育を取り巻く諸環境には不明確なことが多く、私たちの評価機構が、地図なき旅路あるいは海図なき航海を余儀なくされることは大いに予想されるところです。しかしそこにこそ、評価機構のさらなる発展と充実が約束されていると、私は強く確信しているのであります。JIHEE10周年に想う