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日本高等教育評価機構だより

平成30(2018)年2月28日分掲載

日本高等教育評価機構の自己点検・評価及び外部評価の実施‐上‐

はじめに

日本高等教育評価機構(以下、『機構』と略す)は、平成28年度から29年度にかけて、自己点検・評価及び外部評価(第三者評価)を連続して実施した。その二つの評価の概要を2回に分けて報告する。

(1)自己点検・評価

機構は、大学及び短期大学の機関別評価と専門職大学院の分野別評価を実施することを主たる業務として、文部科学大臣から認証を受けた「認証評価機関」である。平成17年度に4大学の認証評価を実施して以来、今年度までの13年間にわたり、延べ618大学、16短期大学を、また、1ファッション・ビジネス系専門職大学院の評価を二度行ってきた。

周知のとおり、我が国のすべての大学や短期大学等は、学校教育法第109条の規定に従って、当該大学の教育・研究、組織・運営、施設・設備の状況等について、自ら点検及び評価を行い、その結果を公表しなければならない。加えて、これらの大学は7年以内ごとに、文部科学省の認証を受けた認証評価機関による評価を受けることとなっている(専門職大学院にあっては5年以内)。

機構の認証評価は、自主的、自律的な質保証の担保のために受審大学自らが作成する自己点検評価書に基づいて行われるものであるが、認証評価システムが万全でなければ、受審大学に対して機構が公平かつ客観的な評価を行うことは不可能である。機構が実施してきた認証評価は、機構内に設置された評価判定委員会や、評価システム改善検討委員会などによって綿密に検討・策定された「認証評価実施大綱」や「評価基準」にのっとって行われており、これらは折にふれて見直されてきた。しかし、機構の創設以来10年もの歳月が経過するにつれて、評価活動が定型化し、また法令適合性重視に偏り、外形的な評価が多いといった反省や批判も耳にするようになった。

このため、機構は平成30年度に迎える認証評価制度第3サイクルを契機に、「認証評価実施大綱」や「評価基準」をはじめ、評価システム全体を抜本的に見直すことにした。

委員会の立ち上げ

機構は、創立10周年の翌平成27年に、「日本高等教育評価機構自己点検・評価実施委員会」を立ち上げた。委員の顔ぶれは、副理事長、常務理事、事務局長、評価事業部長、総務部長、教育研究団体等の関係者等である。さらに、この実施委員会のもとに「日本高等教育評価機構自己点検・評価専門委員会」を設置して、機構の自己点検・評価に必要な資料の収集や、評価項目ごとの現状分析など、実施委員会の任務を補佐することとした。専門委員会の主査には評価事業部長があたり、評価事業課長、評価研究課長、並びに総務課長を副主査として配置した。こうして、機構の自己点検・評価にはすべての常勤職員が、実施委員あるいは専門委員としてかかわることとなったのである。

これはまさに、認証評価機関としての機構の自己点検・評価にほかならない。「評価する者は評価されなければならない」という認識のもとに、事業活動、組織、財務等、機構のすべてにかかわる事項に関して、徹底的な点検や評価を行うことによって、その結果を組織や諸活動の改善に資することとした次第である。

機構の自己点検及び評価を実施するにあたって、評価実施委員会は評価の方法や手順、さらには記述の留意点や表記の基準及び用語などについて、機構が実施してきた大学機関別評価におおむね準拠することとした。すなわち、目的、機関別認証評価、分野別認証評価、調査研究、国際性、広報、会員、関係機関等、管理運営、財務、施設・設備、事務局、自己点検・評価という13の基準について、基準項目や評価の視点などを定めて、それぞれ事実の説明および自己評価を行い、必要に応じて改善・向上方策、または将来計画を明らかにした次第である。すべての基準についての改善・向上方策に言及する紙幅の余裕はないが、いくつかの基準を例示してみよう。

基準4.調査研究:引き続き調査研究の目的を踏まえ、必要に応じて調査研究を実施し、その成果を活用することにより、当機構の評価システム等を改善していく。

基準5.国際性:認証評価機関として国際化に積極的に対応することを盛り込んだ基本方針を策定し、内外への周知を徹底するとともに、一層の活動の展開を目指す。

基準6.広報:広報の目的を設定し、内外に明示するとともに、必要に応じて既存の媒体の改善や認証評価及び高等教育に関する論文集などの出版を視野に入れて検討するなど、活動内容のさらなる充実を目指す。

平成27年4月から始めた機構の自己点検・評価の試みは、平成29年3月に「平成28年度自己点検・評価報告書」として結実した。折しも、中央教育審議会大学分科会は、平成28年月に「認証評価制度の充実に向けて」と題する審議のまとめを公表し、その中で「認証評価機関においても、評価の質の向上に努めることが求められ」、・・・「自らの評価活動におけるPDCAサイクルを確立・機能させることが必要であることから、自己点検・評価に取り組むことが重要である・・・」とし、さらに「当該(認証評価)機関の自己点検・評価の状況や、評価に係る各種規定、体制等について評価を受けることも必要である」と述べて、認証評価機関は、自己点検・評価のみならず、外部評価(第三者評価)の受審も求められることとなったのである。

機構が自らについて点検・評価するのは、今回が初めである。このことは、日ごろ各大学に自己点検・評価を求めている機構が攻守所を変えて、受審大学の立場に立ったわけであり、機構の今後のあり方にとって極めて意義深いものがあったと思われるのである。(副理事長(自己点検・評価実施委員会委員長)・相良憲昭)

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