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日本高等教育評価機構だより

平成31(2019)年4月24日分掲載

学修支援やサービスに積極的取り組み
第3期初年度の評価結果

公益財団法人日本高等教育評価機構(以下、評価機構)は、この3月に平成30年度の機関別認証評価結果を公表した。本稿では、受審校の優れた取組み、改善を要する点等の指摘を含めた評価結果の概要から、昨年度の認証評価を振返ってみたい。

15大学の評価の実施

平成30年度から始まった認証評価制度の第3期は、大学等の質的転換や内部質保証の確立の状況を重視した評価制度への変更が求められ、評価機構では、関連法令等の改正を踏まえて、評価システムの大幅な見直しを行い、新システムを構築し、15大学の認証評価を実施した。その結果、14大学が「適合」、1大学が「保留」となった。認証評価の結果が「適合」となった14大学のうち、11大学には「改善を要する点」の指摘があったため、今後3年以内に改善報告書を大学のホームページに公表し、エビデンスとともに、評価機構への提出を求めた。また、平成28年度の認証評価で「保留」となっていた3大学に対する再評価を行った結果、2大学が「適合」、1大学が「不適合」となった。

今回「保留」となった1大学については、一部の基準を満たしていないと判断されたが、それらの要因が1年以内に改善することが可能であると大学評価判定委員会が判断したため、判定を保留し、今年度に再評価の申請を求めた。また、再評価では1大学が「不適合」となったが、その原因は認証評価時に指摘された事項の一部が改善できなかったためである。どちらの大学も評価機構の評価のフォローアップへの取組みの一つである「事後相談」を利用して、評価内容の確認や今後の手続きなどを含めて相談を行ったところである。

「優れた点」の多くは学生への対応

15大学の評価結果の内容を基準ごとに見てみると、「優れた点」の件数が最も多かったのは、基準2の「学生」であった(別表)。

平成30年度からの新評価システムでは、「優れた点」の考え方について、今までの「他校の模範となる」「先進的で、かつ十分に成果を挙げている」に加え、「質の保証及び向上に寄与する」「個性・特色があり、一定の成果を挙げている」「十分に整備され機能している」などを新たに追加した。

基準2の主な「優れた点」として、「個々の学生に対し、1年次にアカデミック・メンター、2年次以降の指導教員の選任及び3人の論文指導委員を組織するなど、指導が体系化されている点は評価できる」、「学生の研究進捗状況が指導教員だけではなく教授会において教職員に共有されており、学修上のトラブルを抱える学生に対して一貫した支援ができる体制を整えている点は評価できる」、「大学独自の給付型奨学金制度が充実しており、貸与型奨学金との併用が可能で、学生の経済的負担の軽減に資する点は高く評価できる」、「傷病等発生時の対応や近隣病院・診療所のリスト、感染症発生時の対応、感染症の種類等に応じた出席停止の期間の基準などを明確に文書で示し、不測の事態にも対応できる体制が整備されていることは評価できる」など、特に「学修支援」と「学生サービス」に関する取組みが多く挙がった。評価機構のホームページでは、受審大学の全ての「優れた点」を公表しているので、ぜひ参考にされたい。

一方、「改善を要する点」については、基準4と5に指摘が多くあった。基準4の「教員・職員」では、前年度に引続き、学長のガバナンス機能に関する規則等の整備についての指摘が最も多かった。ガバナンス関連の学校教育法等の施行からすでに3年が経過し、評価機構では各種のセミナーや説明会においても過去の事例を紹介しながら説明を行っているが、法令改正への理解など、各大学の対応にはまだ十分とは言えず、課題があると感じた。基準5の「経営・管理と財務」では、寄附行為に基づく法人運営、学校教育法施行規則や教育職員免許法施行規則に関する情報公開に関する指摘が多く、学内規則の遵守、法令改正に関する情報の収集や対応に課題があると感じた。

内部質保証の評価

評価機構における第3期評価システムの最大の特徴は、基準6の「内部質保証」を設定したことであったが、一部の大学では、質の定義及び内部質保証の組織や責任体制が明確になっておらず、取組みが自己点検・評価活動に留まっており、自己点検・評価活動がイコール内部質保証であるなど、内部質保証への理解に偏りがあると感じた。

また、評価機構では、基準6を重点評価項目として設定しており、他の基準において、内部質保証システムの機能性に問題があり、「改善を要する点」として指摘された場合は、基準6においても併せて指摘することとしている。そのため、他の基準での指摘に関連して、基準6にも指摘されたことが多くあり、別表の9件中、5件がそれに該当した。

評価機構においては、今後も引続きセミナーや説明会などの機会を通じて、内部質保証の重要性や他の基準との関連性などについて解説を行い、大学の理解を求めていくこととしている。

平成30年度の評価を総括すると、学長のガバナンス機能の構築、法令や学内規則の遵守などに課題があるため、内部質保証に関する更なる取組みが求められる一方、教学面においては、特に学修支援などにおける工夫や学生のためのサービスなどに関する積極的な取組みが目立っている。

(評価事業部長 陸 鐘旻)

別表 基準ごとの指摘事項(数値は件数)

別表

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