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日本高等教育評価機構だより

令和4(2022)年9月28日分掲載

大学の質保証システムの改善・充実と学校法人制度改革の方向性
評価充実協議会報告から

日本高等教育評価機構(以下、『機構』という)は、認証評価に関する大学相互の共通認識を深め、協力体制を構築し、認証評価制度の充実を目指すとともに、教育の質の維持向上への啓発を目的として、毎年度「評価充実協議会」を開催している。令和4年度は、去る7月12日に感染対策を講じて東京のアルカディア市ヶ谷の会場での対面とオンラインでのライブ配信の併用により開催した。

プログラムは、2つの講演と機構の活動状況報告で構成され、機構の活動状況報告については、令和4年7月20日発行の本紙において、その詳細が報告されているので割愛し、本稿では、2つの講演の概要を紹介する。

まず、「高等教育の現状と課題」と題して、文部科学省大臣官房審議官(高等教育局担当)の森田正信氏から講演があった。

同氏は、本年5月の教育未来創造会議の第一次提言のうち、特にデジタル・グリーン等の成長分野への大学等再編を促進する大胆な規制緩和や基金を創設しての支援、文理横断教育の推進、理系女子の活躍促進などの今後の取組みについて説明があった。また、大学や学部等の定員増に関する設置認可審査の厳格化や定員未充足大学に対する私学助成の減額率の引き上げ、不交付の厳格化、さらには修学支援新制度の対象を定員充足率が収容定員の8割以上の大学とするなどの機関要件の厳格化なども進めていくということであった。

認証評価制度の見直しとしては、各認証評価機関が定める大学評価基準に学修成果の把握や評価、研究成果のための環境整備についての評価を義務付ける。また、負担軽減の観点から内部質保証の優れている大学や法令適合性等について適切な情報公表を行っている大学に対する評価手法等の簡素化など柔軟性を持たせる。一方で、不適合の大学については受審期間を短縮するなど厳格な措置もとる。

大学設置基準の改正では、これまでの「一つの大学に限り、専任教員となる」旨の専任教員をクロスアポイント等の働き方の多様化や民間からの教員登用の促進などの観点を踏まえて、新たに「基幹教員」と改める。大学設置基準上最低必要教員数に、専ら当該大学の教育研究に従事する者に加えて、教育課程の編成や運営に責任を担う教員であって1年につき8単位以上の授業を担当するものを4分の1の範囲内で算入することができるようにする。また、今回の改正の目玉となる特例制度では、認証評価で適合認定を受けた大学から申請があり、教育課程等に関する事項に関して、先導的な取り組みを行うため特に必要があると認められた場合は、遠隔授業の単位の上限や1年間の授業期間、校地・校舎面積など設置基準に依らない特例を認め、大学の裁量で柔軟な対応を可能とする。

学校法人のガバナンス改革では、「執行と監視・監督の役割の明確化・分離」を踏まえて役員等の権限分配を整理し、「建設的な協働と相互けん制」を確立するために、評議員会での決議事項の追加や、理事会による理事長の選定・解職、理事と評議員の兼職の禁止など、私立学校法改正法案骨子の概略についても触れられ、高等教育全般の最新の諸情勢について、課題や将来構想等を交えての丁寧な解説があった。

続いて、「学校法人のガバナンス改革」と題して、TMI総合法律事務所弁護士の大河原遼平氏から講演があった。

同氏は、まず、学校法人のガバナンスとは何かということを十分理解する必要があるとし、ガバナンスのイメージ、ガバナンスが機能不全に落ち行くときの弊害、混乱、責任問題、さらに経営陣のチェックのためのガバナンス、最高意思決定機関である理事会の監督機能、守りのガバナンスだけでなく、大胆な経営判断ができる攻めのガバナンスの必要性について詳細な解説があった。

次いで、学校法人のガバナンス制度改革の動きについて、今年5月20日に出された私立学校法改正法案骨子の詳細な内容と大学が対応すべき事項を中心に説明があった。

まず、理事・理事会では、①理事長の選定・解職、②重要決定の理事への委任禁止、③理事の選任、④理事の解任、⑤校長理事は理事としての解任が可能、⑥外部理事の数の引き上げ、⑦理事の任期:上限4年、⑧理事会への職務報告義務、⑨理事は評議員会に出席して必要な説明等について留意すべき事項も含めて詳細な説明があった。

評議員・評議員会では、①理事と評議員の兼任禁止、②評議員の選任、③教職員、役員近親者等の数や割合に一定の上限、④教育研究への理解、法人運営への識見が必要、⑤評議員の任期:上限6年、⑥招集要件の緩和や議題提案権の措置、⑦義務と責任、所轄庁等への報告、解任勧告等について説明があった。

その他、監事と会計監査についても触れ、最後に、学校法人が今なすべきこととして自法人のガバナンスの確認や今後の動向等を学内で共有することが重要であり、そのためにも役員等の研修が必須と強調するなど、高等教育分野における法知識に精通された弁護士としての立場から、学校法人に求められるガバナンス体制についての講演であった。

これら2つの貴重な講演を受け、アンケートを行った結果、森田氏の講演に対しては、参加者から「今後の教育の方向性を考える上で大変参考になった」「高等教育機関を取り巻く環境やその変化の方向性について理解が深まった」など、大河原氏の講演に対しては、「私立学校法の改正に向けて何から検討を始めるべきか、今回の講演の内容を参考に準備を進めたい」「理事会、評議員会等の現状と今後の関係性を具体的に説明いただき大変有意義であった」などの声が数多く寄せられた。

今年の3月に質保証システム部会の「新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について(審議まとめ)」と学校法人制度改革特別委員会の「学校法人制度改革の具体的方策について」の報告書がそれぞれ公表された。それらを受けて、大学設置基準が今年の9月に改正され、10月1日から施行されることとなった。さらには、今後、認証評価そのものに対する法令改正に加えて、私立学校法改正について国会での審議が予定されている。これらは、大学運営、学校法人運営にかかわる大改革であり、今後、令和7年度から始まる第4期の認証評価に大きく関係する重要な内容である。

特に、大学設置基準の改正での基幹教員、校舎、研究室や学校法人の評議員の選任等に関する経過措置等については今後の動きに注視する必要がある。

当機構としても、これらの法令等の詳細と適応時期について十分な理解を深め、機構での取り扱いについて会員大学や評価員を中心に丁寧な説明を行っていく必要があろう。

(常務理事・事務局長 伊藤敏弘)

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