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日本高等教育評価機構だより

平成29(2017)年8月23日分掲載

評価機構における人材養成
―職員及び研修員に対する研修―

はじめに

日本高等教育評価機構(以下「評価機構」という。)では、年間を通じ、職員及び研修員を対象とした研修を実施している。研修員とは、評価機構の会員校等の教職員を一定期間、評価機構が受入れるもので、認証評価の実務や評価関連事業の運営等を経験し、所属する大学の内部質保証の充実・強化、大学の管理・運営に関わる資質・能力の向上に資することを目的としている。

今年4月には、大学等の運営に必要な知識・技能を身に付け、能力・資質を向上させるためのSD(スタッフ・ディベロップメント)の機会を設けることや大学運営を充実・発展させるための教職協働が大学設置基準で義務化されるなど、事務職員等の果たす役割がますます重要となってきているなかで、本稿では、評価機構が行っている職員と研修員に対する主な七つの研修事業について、年間スケジュールに沿って紹介したい。

基礎研修

毎年4月は、研修員及び新任職員を対象として、事務局内で約一週間にわたり基礎的な研修を行っている。主な内容は、認証評価制度、評価のてびきや受審のてびきに基づく評価の流れの説明、文部科学省等や関連団体との連携の状況、諸外国における大学の質保証の現状等に関する研修などで、講師は評価機構の副理事長等の役員及び管理職職員が担当している。

評価の実務研修

評価機構における「評価の実務」は、研修員に対する研修の中心となるものである。実際の業務は、評価の進行マニュアル等に基づき、専任職員とともにOJTを中心として進める。

研修員は、この評価の実務を通じて、関連法令や政策動向などの知識習得、大学や評価員との様々な調整等の対応、評価担当大学の自己点検評価書やエビデンス資料の確認、調査報告書案や評価報告書案の調整、判定委員会等の会議での説明などを経験する。大学の個性・特色は様々であり、評価の実務研修を通して、研修員が多くの大学の実情を知る機会にもなっている。なお、評価の実務に関わる業務の流れは表1のとおりである。

研修員を講師とする職員研修

6月には、職員及び研修員を対象に、研修員を講師とする職員研修を行っている。研修員の所属校は、特色・特性、地域等様々であり、研修員の所属も入試・広報部、教務部、学生部など多岐にわたっている。この研修は、各研修員が所属校の特色・特性や、自身のこれまでの職務経験、所属校の認証評価の受審体制や自身の評価への関わり方などについてプレゼンテーションを行うもので、職員、研修員双方にとって大学運営に係る業務の実例に触れる良い機会となっている。

表1 評価の実務に関わる業務の流れ

時期 評価作業
4月~6月 評価員・大学との調整/自己点検評価書などの確認
6月~9月 評価員セミナーの実施/事前相談への対応
評価員会議(第1回)の実施
9月~11月 大学へ調査報告書案の送付/意見申立ての受付
判定委員会での審議/評価報告書案のまとめ
大学へ評価報告書案の送付/意見申立ての受付
意見申立て審査会及び判定委員会での審議
理事会での承認、評価結果の確定
12月~翌3月 実地調査の実施、評価員会議(第2回~第4回)の実施
評価員会議(第5回)の実施、調査報告書案のまとめ

学校法人の財務勉強会

7月には、職員及び研修員を対象に、学校法人の財務に関する勉強会を開催している。主な内容は、学校法人会計基準、財務三表、経営判断指標の見方、評価員の立場からの財務の確認方法などの解説で、特に財務に精通した評価員や、日本私立学校振興・共済事業団の関係者に講師を依頼している。

職員等勉強会

同7月には、職員、研修員と過去に研修員として勤務していた研修員経験者が一堂に会して、講演の聴講やワーク型の研修を行い、知識の習得に加えて、経験者と評価機構職員との継続的な連携を図ることも目的に開催している。平成29年度は、「私立大学のガバナンス」と「SDの義務化」をテーマとした講演会を実施した。講師は、テーマについて造詣が深い評価機構の各種委員会の委員のほか、文部科学省等の関係機関などに依頼している。

研修成果報告会

8月から翌年1月までは、評価の実務が主な業務となっており、年度末の3月には、各研修員が1年間の研修の総括として作成する「研修成果報告書」に基づき、研修成果報告会を開催している。この報告会は、研修員の研修成果の把握、認証評価事業の実施上の効果を検証するとともに、今後の研修の改善に資することを目的としている。これまでの報告では、「評価を通じて他大学の実情を知ることで、自身の大学の良さを改めて認識することができた」「他大学の優れた取組みの実務例を直接見ることができ、大変参考になった」「評価機構職員や他大学からの研修員、評価員、他機関の職員等との交流が図られ、人との繋がりを構築できた」「内外の各種研修への参加、文科省関連の会議等への傍聴の機会を多く与えられたことで、高等教育政策の動向等について様々な情報を収集することができた」「評価員の大学運営や教育研究等に関する識見に基づく指摘や意見は、自身の知見を広げるとともに、経営への参画、意識改革の重要性について理解を深めることができ、大変貴重な経験となった」など、多くの成果が挙げられている。

外部研修等への参加

これらの評価機構独自の研修のほか、年間を通じて外部機関等が開催する研修会等へ積極的に参加することにより職員及び研修員の資質・能力の向上を図っており、主なものは、次の通りである。

・認証評価機関連絡協議会主催の研修:認証評価に携わる職員等の連携及び情報の共有を図るとともに、職員の資質・能力の向上を目的とする「評価担当職員研修」へ参加し、他の評価機関の職員や研修員との情報交換・交流を行う。なお、この協議会には、評価機構のほか大学改革支援・学位授与機構、大学基準協会、短期大学基準協会など13の認証評価機関が参画している。

・日本私立大学協会主催の研修会:日本私立大学協会の協力を得て、事務局長相当者、教務部課長相当者、就職部課長相当者、経理部課長相当者等の各種研修会へ参加する。

・文部科学省主催の会議の傍聴:高等教育に関連する主要な会議に職員及び研修員が傍聴。

・その他、自らの啓蒙・啓発に繋がるセミナーや学会への参加について、申出により受講を可能としている。

おわりに

評価機構の職員及び研修員に求められる知識・能力の範囲は広範多岐にわたっており、職員等の資質・能力の向上のため、今後も研修等の充実を図っていきたい。また、研修員制度は、大学の内部質保証を担う人材育成の観点からも重要と考えており、今後も継続して実施するとともに、改善・充実に努めていきたい。会員大学をはじめ、関係各位のさらなるご理解・ご支援をお願いしたい。

(総務部次長 城 香奈子)

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