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日本高等教育評価機構だより

令和7(2025)年3月26日分掲載

アメリカの大学アクレディテーション・システムの今
―JIHEE評価研究部の「米国の大学評価」の現状・課題調査研究プロジェクトに参加して(中間報告)―

1.本調査の目的・調査対象

本調査は、「米国の大学評価」の有効性向上の取組と評価方法の効率化、時宜に応じた評価結果の柔軟なフィードバック、などについて、同国の「地域アクレディテーション機関」がどのような取組を進めているか、を探ることを目的に行われたものである。

今回評価対象とした機関は、“ WASC Senior College and University Commission (WSCUC)”、“ Higher Learning Commission(HLC)”、“New England Commission of Higher Education(NECHE)”、“Lumina FOUNDATION”、“National Institute for Learning Outcomes Assessment(NILOA)”である。調査は、書面調査を基本とし、先方機関関係者への聴き取り調査を適宜実施するという手法を用いた。

2.我が国における認証評価制度改革の予兆

本調査研究が進行途上のさなか、今後の大学質保証の動向を推知する手がかりとなる中教審(答申案)の概要が示された。そこでは、認証評価制度にa)学生の「学習達成度」を段階評価する仕組みの導入、b)「教育の質」に問題がある大学への「縮小、撤退」を促す参考となる仕組みの導入、c) 評価負担の軽減等のため、全設置者に共通の国設・大学基礎データベースを構築し、質保証の局面での活用を推進、とする提言案が提示された。また併せて、d)現在の「機関別大学評価」を「分野別評価」に移行させる方向性も示唆された。

これら情報は、我々が手掛けた当調査研究にも、一定の影響を及ぼすところとなった。

3.米国大学アクレディテーション・システムの現状

(1)アクレディテーション関係基準

今回調査対象とした地域アクレディテーション協会のいずれもが、「アクレディテーション基準」を規律する基本原理として、「学習機会の平等」と「学問の自由」を掲げていた。またアクレディテーション基準に共通する特質として、a)財務を含む大学経営の安定化、b)学習者の学習利益の擁護の観点に立った学習達成度評価の確立、c)「b)」に関連する事柄として、教育プログラム評価の重視、d)「説明責任(accountability)」と「誠実性(integrity)」の確保、の諸点を強調する点で軌を一にする。

(2)「学習成果」の達成度評価

米国のアクレディテーション・システムでは総じて、学習者の「成長(success)」を大学教育の「有効性(effectiveness)」を担保する中軸として位置づけ、「学習成果(learning outcomes)」の達成度評価の仕組み構築とともに、そのためのアセスメント指標の設定も要請する。但しそこで提示する指標中には、連邦教育省の要求に配慮し、在籍率、卒業率、就職率、資格試験合格率などの量的指標も含まれている。

(3)評価プロセスの弾力運用・優遇措置

10年周期で実施される「包括評価」の仕組みでは、NECHEに代表されるようにいずれのアクレディテーション機関でも、伝統的枠組みが維持されている。但し、HLCの場合、内部質保証の仕組みが充実している大学に対し、5年目中間時に外部評価を省略し「質保証の自主取組(Quality Initiative)」を以て中間評価とする優遇措置が講じられている。

(4)評価結果の多様化とモニタリング・システムの複雑化

審査・評価の結果は、「注意喚起/通知(notation)」に始まり、懸念事項の軽重に応じ「理由開示請求(show cause)」、「資格一時停止(probation)」、「資格剝奪(withdrawal)」といった異なる「決定」が制度化されている。そしてこれら「「否定的な決定(adverse action)」の種類に応じ、「進捗状況報告書」の提出、「焦点化された訪問調査」、「特別モニタリング」など様々な事後監督システムが用意されている。

こうした仕組みは、全米の地域アクレディテーション機関による合意の下、斉一的な制度として確立されている。

(5)「重要な変更」の審査と教育プログラム評価

社会や学生のニーズの変化に対応させ大学による教育プログラムの新規開設や改組再編が頻繁に行われるのに併せ、「重要な変更」の精緻な審査手続が確立されている。地域アクレディテーション機関は、アクレディテーションの効力範囲を画定しそこでの「質」の確保に向け、同審査の仕組みを介し「教育プログラム評価」を実践する。

(6)「異議申立」・「仲裁」手続の確立と「苦情申立」への対応

連邦教育省規則に基づき、準司法手続ともいえる「異議申立」や「仲裁」の仕組みが構築・運用されている。同じく同規則に依拠し、「苦情申立」に対応する仕組みも整備されている。同仕組みを円滑運用する知識・能力をもつ専門人材の育成も急務となっている。

(7)情報開示

いずれの地域アクレディテーション機関も、「説明責任」履行の観点から情報開示に積極的に対応している。とりわけWSCUCは“Key Indicators Dashboard(KID)”と呼ばれるシステムを開発し、アクレディットした学士課程レベルの大学に関する比較可能なデータを対社会的に開示している。

4.当調査から得られた知見の概略―むすび―

米国機関別アクレディテーションは、学生の「学び」の機会を保護する十全な制度として機能させるべく、「重要な変更」をはじめとする教育質保証の営みの中で次第に「教育プログラム評価」の様相を強めている。また基準適合性に懸念のある大学への事後監督も強化されている。加えて、連邦教育省規則に基づき、学生の学業継続のための措置要求(閉学処理など)や苦情処理までもが必須的対処事項となっている。その活動量が増加の一途を辿る中、大学の質保証プロセスをどうスリム化し、効果的な質保証の実現を図るのかが、そこでは大きな課題となっている。

(中央大学 日本比較法研究所客員研究所員 早田幸政)

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